26歳の時に乳がんになりました。
stageⅡで、乳房部分切除+センチネルリンパ節生検+術後補助化学療法(EC4コース→ドセタキセル単剤4コース)+放射線治療+ホルモン治療→現在タモキシフェン内服中です。
23ー24歳頃に乳房の小さなしこりに気がつき、1回/半年、近医で経過観察をしていました。
しかし、転職などで忙しくなり、通院していた病院から距離が離れてしまったのもあり、受診を忘れてしまっていたところ、ある日胸のしこりが大きくなっているのに気が付きました。
以前は、「なんかここにしこりがあるような…」という感じだったのが、ゴリゴリに「しこりです!!」という存在感になっていて、これはまずいやつだ…と思い、受診しました。
エコー画像で、腫瘍から周囲の血管に繋がる血管が太く伸びていたのを今でも強く覚えています。これだけで、あまり良くないのでは?とは感じましたが、その場では医師からのコメントは特になく、針生検をして、帰宅しました。
嫌な予感ももちろんありましたが、年齢も乳がんの好発年齢としてはまだ若かったので、色々調べつつも、良性の腫瘍だろうとまだ考えていた部分もありました。
そして結果を聞きに行く日、家族と行くという発想はまったくなく、一人で診察室に入った瞬間、主治医から「がんだったよ」と言われました。本当に嘘みたいですが、その直後「なんちゃってね、冗談だよ」と、主治医が言うと信じて疑いませんでした。でも、主治医は冗談だとは言ってくれなくて、本当なんだと思った瞬間に自分が泣いたことを覚えています。
そのとき真っ先に考えたことは親のことでした。
万が一親を残して自分がいなくなることになってしまったらどうしよう、申し訳ない、と考えていました。
そして、そのまま造影CT検査を受けて帰宅しました。
看護師さんが検査室まで付き添ってくれていたのに助けられました。
結果を聞いて以降の記憶は曖昧ですが、なぜか親への報告はカラオケの個室でしたのは覚えています。家に帰る前に少しでも早く話そうと思ったのか…今となっては不思議です。
でも、私はがん患者さんにも関わる機会のある看護師だったので、幸い治療のイメージはしやすかったと思います。親に話した際も、ショックは受けていましたが、心配もかけたくなかったので、私は知識があるから大丈夫だと、伝えたような気がします。
しかし、乳がんについてはほとんど知識がなかったので、とにかく本やネットで調べていました。眠れない夜も何日もありました。
今はネットで色々な情報を簡単に調べられる世の中ですが、だからこそ、正しい情報を見極めることが難しくなっていると感じます。たくさんの情報を見ることで却って不安が募る患者さんもたくさんいらっしゃいます。
私の場合は、専門書で一般的な情報を確認しつつ、やはり同年代の患者さんの経験談を知りたいと思い、個人のブログなどを検索していました。でも、当時20代の患者さんの経験談はあまり見つけられませんでした。
一般的な情報を知ることがまずは必要だと思いますが、それを理解したうえで、同じ境遇の方がどのように治療を受けて現在どう過ごしているのか知りたいと思う気持ちもよく分かります。
先日がんサバイバーの方が話されていました。「自分と同じ病気や治療をしていても、同じ経過になるとは限らない。それでも、その個人の経験を知ることで、希望を感じることもあった」と。言葉はだいぶ変わっていますが、このような内容を話されていました。
私もそう思います。
なので、自分の経験もここに残して、同じような思いで辿り着いた方の、何らかのお役にたてればと思います。
やはり自分がショックを受けていたので、万が一仕事に影響が出ては大変だと、上司や、信頼できる先輩には早い段階でご報告しましたが、これは良かったと思います。
職場が病院なので理解があった、というのは大きいと思いますが、色々と配慮していただき、今でも感謝しています。
告知を受けたときに、主治医からは「半年くらいは仕事を休むことになる」と言われましたが、結果的には手術や抗がん剤投与で一時的にお休みはいただきましたが、治療を受けながら就労を継続しました。
手術で2週間、抗がん剤治療中は投与後7ー10日程度お休みをいただいていました。
がんの告知を受けると、働きながらの治療は難しいと考える方や、退職を考える方も多いと思います。もちろん、病状や治療内容によっては難しいこともあるかもしれませんが、私のように、最初は長期休職と言われていても、継続できる場合もあるので、職場に退職などの話をする前に、まずは相談することが大切だと、自分の経験としても、看護師として働くうえでも強く思います。